春日神社

鎮座地 奈良県橿原市
    南妙法寺町字宮ノ前131

ご祭神 天児屋根命
 創立年代は不明。
『高市郡神社誌』によると、現高取町与楽と寺崎の古老の伝として、往古当社のすぐ東南にある貝吹山頂に牛頭天皇をまつる社があり、与楽・寺崎・南妙法寺とも祭祀に預かっていたが、いつのころからか三村とも山頂の神霊をそれぞれの村に勧請して牛頭天皇を祭神とする杵築神社を創祀したという。

 ところが、当社はいつの間にかかつての所伝を失って、素戔嗚命の后妃稲田比売命を祭神とするようになり、さらに時流の動きに同調して春日の神をまつることになった。
 社頭は貝吹山の西南、南妙法寺集落の南方丘陵の頂上から、約50m下方に南面して鎮座する。社頭の東南麓には、古来塚口と呼ぶ前方後円墳があって、一説に綏靖天皇陵ではないかという。
「春日大明神」の額を掲げた拝殿は、切妻造桟瓦葺で、格子窓があり、揚げ床になっている。
 十月十六日の夜宮祭に、ここで酒・塩・洗い米を入れた御湯を焚き、御湯行事が行われるが、この時神官の帯びた〆縄は、安産の帯と称し氏子の妊婦に授与されるという。
 当社最古の金石文に「春日社 寛文四辰年(1664)九月吉日」と刻む狩野形石灯籠があるので、当時すでに春日の神を祭神としていたことがわかる。前書きによると、明治四十一年、当社は往古稲田比売命を祭神としていた関係から、古来社殿を建設しない風習であることを届け出て認可され、今日に至ると記されている。

 第二次世界大戦前は、宮田約八反あり、うち御 供田(四畝)は当屋が輪番に耕作したという。
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