河分神社
かわわけ

ご祭神 武甕槌命・経津主命
    天児屋根命・姫大神

鎮座地 奈良県吉野郡黒滝村中戸小字川戸


● 旅の神さまとガタロ
 黒滝川と川谷川の合流するところ、中戸字川戸に鎮座する神社。丘陵の尾根の先端にあって広い境内には、銀杏や杉の巨樹がある。ここから道は、赤滝方面へ通ずる道と、小南峠を越して洞川に出る道に分かれるところにある、交通の要路に鎮座する神社である。
 本殿の後方は繁茂した森になっている。
本殿は四殿あり、いずれも春日造。
社殿は大体六十一年目に造替するのを恒例にしている。
 河分神社は、赤滝、中戸、脇川、堂原、寺戸、御吉野の六ヵ大字の産土神とされているが、明治六年には黒滝村十三ヵ大字の指定郷社になっていた。この神社は、往古奈良春日大社の祭神を分神したものであるが、その時期については明らかではない。
 古記録には河分大明神とあり、地方では河分明神さんと呼んで尊崇されていた。明治五年にこの河分大明神を四社神社と改称している。翌六年に郷社に昇格、さらに明治二十九年三月三日に河分神社と改称された。

 河分神社は古くから祈雨祈晴に霊験があるといわれている。
文禄四年速水甲斐守検地や、延宝七年本多平八郎の検地帳に、村中氏神河分大明神宮山と記し除地になっていた。これは同神社が、春日の分神を祀る以前には、いわゆる河分の神としてこの宮山を尊崇していたと考えられる。
 黒滝村のほぼ中央に位置するこの宮山は、黒滝川と川谷川と合流する大切な地点で、いわゆる水分の神の如き原始的な水に対する信仰をもっていた山と思われる。
社殿の裏山には、巨樹のヒモロギにひそかに塩や水を捧げて祈る風習が残っている。

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