加夜奈留美命神社
かやなるみのみこと

通称 かやなりさん

鎮座地 奈良県高市郡明日香村栢森358
Google マップ(to:加夜奈留美命神社)

ご祭神 加夜奈留美命


● 稲淵と栢森の綱掛け
● 稲淵と栢森の「綱掛神事」

 栢森の集落東北の小高い森に鎮座。
旧村社。社前を稲淵川が流れる。江戸時代には葛神と称していたが、カヤノモリとカヤナルミが類似するため「大和志」が「延喜式」神名帳の「加夜奈留美命神社」にあて、以後式内社に治定されている。
 加夜奈留美命は、飛鳥の神奈備に坐して、皇孫の守護をした神で(「延喜式」出雲国造神賀詞)「五郡神社記」や「大神分身類社鈔」に高照姫命のこととする。「延喜式交替式」「類聚三代格」には「賀屋鳴比女」とも記し、天太玉・櫛玉・臼滝神とともに飛鳥神の裔神とみえる。「三代実録」貞観元年(859)正月二七日の条に大和国従五位下賀夜奈流美神に正四位下を授けたとあり、四裔神のなかでは最も神位が高い。
 飛鳥神奈備は天長六年(829)鳥形山(現大字飛鳥)に移されたが、その後も賀夜奈流美神の本霊は旧地にとどまったものと考えられる。明治に至り、富岡鉄斎が復興・顕彰、彼の「公私事歴録」に「大和高市郡栢ノ森村鎮座加夜奈留美命神社、古頽敗之上意外小祠ニ付、書付ヲ認其由緒ヲ述シ県江出ス、并ニ金五円ヲ奉納、村人区長社ヲ新築ノ挙ト成」と記す。式内加夜奈留美命神社の鎮座地については異説もあり「五郡神社記」は飛鳥坐神社 (現大字飛鳥)後南方にあって磐石神窟をなすとし、大字細川の小字貝成(かいなり)にあるという説もある。
「高市郡神社誌」は雷丘に求め、当社を式内滝本神社とする。滝本神社は祭神・所在ともに未詳。「五郡神社記」には「在波多郷稲淵滝瀬本但細川之川上、宮道君相伝云、牟佐築田坐生雷公与波多滝瀬坐生竜師如兄妹也」とある。
 加夜奈留美命神社、右側後方の摂社。加夜奈留美命神社の摂社に九頭神社(葛神社?) と宇須多伎比売命神社がある。県史の神社解説によると上記の滝本神社について〜『大和志』は「在所未詳」としているが、栢森の加夜奈留美命神社である葛神社をこの神社にあてる説が説が有力である。創祀の年代は詳らかでないが、『延喜式』神名帳に登載される式内社で、賀夜奈留美神社の右後方隅に鎮座する。祭神は神で、雨を司る祈雨・止雨の神として古来崇敬されてきた神である。稲淵川源流に近い川上で、皇極天皇元年(642)八月一日を祈雨されたことが『日本書紀』に「天皇、南淵(稲淵)の川上に幸して、跪きて四方を拝む。天を仰ぎて祈ひたまふ。即ち雷なりて大雨ふる。遂に雨ふること五日。あまねく天下を潤す。…天下の百姓、ともに喜びて曰さく…」とある。稲淵川上流渓谷に二つの滝があり、その淵を男淵・女淵といい古来この淵の主である竜神は雨乞に霊験あらたかとの伝である。今の葛神社の旧地を古宮というがこの滝の付近でなかっただろうか。『高市郡志料』は葛神社を滝本神社の祭祀を継承する神社にあてていると『式内社調査報告書』に記されている。〜とあった。
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